はじめてのツーリング 2日目(2005/2/7)

ラスベガス ⇒ フーバー・ダム ⇒ Kingman = (R66) ⇒ Williams

はじめてのツーリング、初日です。体調不十分と寝不足により、遅めの10時スタート。曇天ながらも暖かく、モコモコ・ダウンではやや汗が滲みます。先ずはネバダとアリゾナの州境にある「フーバー・ダム」を目指して走り始めました。

Boulder City辺りで突然に視界が開けた途端、距離感が掴めない錯覚に陥りました。曇天の隙間から射す何本かの陽光が、冬の海に似た鉛色の平原に黄金色の島々を描き出し、その向こうに連なる蒼い峰々…。が、対比する建物や樹木が全く無いので、どのくらい広い平原なのか、遠い山々なのか、よく分からないのです。冬のよく晴れた朝、東京からも上州の赤城山を遠望できます。その「遠望」にあたるのか、実は妻沼や本庄あたりから望む赤城山のように、割と近くから眺めているのか…?

フーバー・ダムで小休止ののち、いよいよアリゾナ州内です。インターステート93号線の峠道をくねくねと登ると、またもや突然に視界が開けました。こんどは「地平線」が登場です。え、地平線?地平線って、もっと何日も走り続けた先にあるものじゃないの?!憧れの女の子って、もっとちゃんと探して作戦立てて苦労して追いかけ回してモノにしたいじゃないですか。何気なく角を曲がったらそこに立っててました、じゃ、ギュッと抱きしめずに「こ、こんにちは」なんてドギマギ言って、素通りしてしまうかもしれません。

Kingmanで初めての給油(セルフ方式です)に30分近くまごまごした後、ちょっと遅めのお昼はダイナーでハンバーガーです。味については、何も語りません。とにかく、お腹は一杯になり、高地の風にすっかり冷え切った体に、温かいコーヒーは何よりでした。d0031061_16465338.jpg
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ここからは、ルート66旧道に入ります。賑やかな街並みは荒地と朽ちた家々に取って代わり、たまに現れる集落も、まったく生活の匂いを感じさせずにひっそりとしています。途中、砂漠の真ん中に旧い飛行機がストアしてある空港を見つけました。TWAのロッキード・トライスター、どこのキャリアか分からないDC-4などなど。フライアブルな感じにも見えましたが、番犬以外に動くものは無く、確かめる事は出来ませんでした。ここは、その趣味の世界では名の知れたモハベ砂漠。こんな空港が多いのでしょう。

いよいよ荒涼とした原野を走ります。原野といっても、標高は1,500m。風は冷たく体を刺します。斑に浮かぶ雲の作る日陰はさっと走り抜け、日向をユルユル走ります。…と、どこかで見た風景が広がりました。茶褐色の荒野に続く一本道、眼前遠くに台形の山並み、そしてハーレーの野太いエギゾースト・ノート。
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…ここは、Easy Riderオープニングの、旅に出たばかりのキャプテン・アメリカとビリーが、まさにBorn to be Wildをバックに走り往く、あの道あの場所では?!寒さを忘れ、ひたすら歌いながらノリノリで走りました。そう、ここをハーレーで走りたかったのです!♪ぼぉーんとぅびーわぁ~ぁぁあーあーあ~~♪

d0031061_17322272.jpg少し向こうを、Santa Fe鉄道の貨物列車が並走します。3重連の機関車に追いつき、クラクションを鳴らして手を振ると、運転手も汽笛を鳴らして応えてくれます。しばらく絡んで走りましたが、なにしろ35mph(56km/h)程のノロノロ運転。じゅうぶん遊んで飽きてきた頃、もう一度手を振って先を急ぎました。

やがて山道に入る頃、陽は翳りだし、路面もしっとり濡れてきました。標高は上がり、気温は下がり、雨もパラパラと・・・。体はますます冷え、気持ちは沈んできます。Seligmanからインターステート40号に乗ると、小雪も舞ってきました。途中のSeligmanもAshforkも、泊まるにはちょっと寂しい街並みです。Williamsまで頑張ろうと必死で耐えましたが、その時間が経つのが遅いこと。60mphで走れば1マイル1分。到着時間の計算は至って簡単で、考え事で気は紛れません。積もってなくとも、小雪舞う中、路面凍結は恐く、気を緩められません。寒さに耐えかねスピードを落とせば、この苦行が長くなる。もうエンジンの鼓動を愉しむ余裕は無く「寒いよ~、温泉入りたいよ~、干したフカフカの蒲団で寝たいよ~、ニッポンに帰りたいよ~!」と泣き叫びながら、永遠にも感じられたラスト30分を耐え抜き、ようやくWilliamsに到着しました。体はハーレーよりもブルブル震え、手足は「痛い」以外に感覚は無く、頭は重く。街中のシャーベット状の泥雪道を、ハーレーのノーマルクラッチを握りながらの運転は、火事場の馬鹿力だったのでしょう。トイレに駆け込む勢いで、安そうなモーテルを適当に選びます。大分熱が出ていましたが、バスタブに湯を張り、飛び込みました。体の震えが止まって人心地つくのに、たっぷり2時間。夜も更けてしまいました。割れんばかりの頭痛と空腹が襲ってきましたが、コンビニなんてありません。しんしんと雪の降る深夜の田舎町で、開いているのは数件の妖しげなバーだけ。苦い水道水で風邪薬を飲み、ベッドに横たわり朝を待ちました。

旅に出て、こんなにしんどかったのは、初めてのことです。歩き・自転車・ヒッチハイク、野宿・金欠、病気・下痢、テロクーデター等など経験してますが、「あぁ、ツライよ~、日本に帰りたいよ~、会社で仕事がしたいよぉ~!」と、本気で思いましたから!これも、初心者ならではの(?)情報収集不足・経験不足による失敗なのでしょう。長袖の下着やセーター・ウィンドブレーカー・マスク・スキー用グッズ等など、防寒対策は万全のつもりだったのですが、「防寒」「防風」だけではなく、カイロのように「自ら温めるモノ」が足りなかったのです。この地方の週間天気予報はマメにチェックし、降雪も予想していましたが、時速100キロつまり風速30m/sの風の中の体感温度が、これほど寒い(痛い!)とは!これって、世のバイク乗りの皆さんにとっては、常識だったりするのでしょうね。。本当に身をもって、いい勉強しました (..)




フーバー・ダム
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I93
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kingman
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R66旧道
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by hasekoi | 2005-02-07 20:00 | FLHRS・おでかけ
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